2013年10月句会報

句会報の一部を紹介します。

此の惑星(ほし)にたましひ冷ゆるまで遊ぶ
大森健司
ハロウィーンこころの隅が砂になる
夏目華絵子
秋冷の山駆けてくる風のいろ
梶田紘子
新豆腐海のくずれる音の中
西川輝美
白菜やひとりぼっちの星の下
菅城昌三
カーテンに夜のはりつく鰤起し
高木憂
黒糖をうかべし夜の秋思かな
西尾ゆう子
人生を詠む器量なし秋の空
渡辺新次郎
天の切る罰のチケット秋の蛇
秋山しづ子
実石榴や認知の叔母に会ひに行く
速水房男
もみじ葉の赤きを博ちし驟雨かな
野村幸男
背をおされ振り向く頬に秋寒し
野村美穂子
木守柿眠るこの世のものに似て
中原恵美
秋の夜に話しかけるも友はなく
荒木克彦

夏目華絵子、
ハロウィーンこころの隅が砂になる
私から逃げ出す私カンナ燃ゆ
諸霊祭まだ空にある鐘の音
これ以上なにを失なう花八つ手

があり、どれも良い。
ハロウィーンの例句はまだ根づいていない。
その中でも明るく騒ぎ立てるハロウィーンという行事の中で、
こころの隅が砂になる、とは表現が見事。
また、
私から逃げ出す私カンナ燃ゆ
これは作者の辛辣な思いが込められている。
かつての師である角川春樹の句集「存在と時間」の中で、
真夏日や逃げても逃げても非常口 春樹
があるが、それに近い真意。
あらゆる不安、焦燥から逃げられない感覚。
カンナ燃ゆとしたところで、ある種の転換を行なっている。
俳句とは、自己の投影である。
作者の身に置かれた状況は辛いに違いない。しかし、それも曝け出し、さらに転換しているところに詩才を感じる。

秋冷の山駆けてくる風のいろ
これも素晴らしい一句。
すぐさま飯田龍太を思い浮かべた。
龍太ゆかりの地である。

鰯雲日かげは水の音迅く
いきいきと三月生まる雲の奥
大寒の一戸もかくれなき故郷
龍太

写生であるが、単なる写生ではない。
季語の秋冷が非常に効いている。
また、その風の様、まざまざと目に映るような臨場感がある。
情感と深い思念の見えてくる一句。
「森」は確実に成長している。
幅広い年齢層もその要因のひとつであるように思われる。
小学生の句は載せていないが、驚かされることが多い。実に自在であるからかな。
今月は季節の変化で休まれた方が多かったです。
体調にはくれぐれも注意していただきたいと思います。

季語について、非常に共感した飯田龍太の一文を引用する。

俳句に季語が絶対なものかどうかーーーという議論は、それほど厄介ではないように思う。無季のすぐれた作品は確かに存在するし、有季の秀作は更に多い。両者の秀作が更に多くなることは俳句の進歩ではないか、
ともに喜ぶべきことではないかと思う。(中略)
それなりの敬意を払って使用すべきもの。大切な上にも大切にして、遺産に一段と輝きを加えるべきではないか。
文化とか伝統とかいうが、その中身は、存外そんなところにあるのではないだろうか。

大森健司

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