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2014年5月句会報

句会報の一部を紹介します。

母ねむる昼の蜥蜴に日が射せり
大森健司
ポーの黒猫となる夢さみだるる
夏目華絵子
思春期の何を隠すやかたつむり
梶田紘子
夏めきて昼もてあそぶ指輪かな
菅城昌三
もの言わぬ背に陽のさして夏に入る
西尾ゆう子
いずこより花舞ひおりる山路かな
渡辺新次郎
祇園小橋日傘の人を見失ふ
西川輝美
想ひ出を鞄にしまひラムネ抜く
速水房男
大原女の絣がはえる麦秋や
前田壽登
さくらんぼ青空吸ふてしまひけり
中原恵美
情念の絡みし名残り藤の花
野村幸男
子守唄児らに聞かせた春ひと日
野村美穂子
残業に人の香残る薄暑かな
古田左千夫
もののけがおはようさんと杉祠
荒木克彦
髪結ひの亭主のやうな初夏の午後
高木憂
木々の間にこぼれ落ちたる夏日かな
余力端美

ポーの黒猫となる夢さみだるる
夏目華絵子

ポーの黒猫とは、いわずとしれた、アランポーの代表作『黒猫』である。
主人公は酒癖が悪く非常に可愛がっていた黒猫を殺害してしまう。
そしてその良心の呵責に悩まされて生きるというものだ。
結末は悲劇である。
アランポーは僕も大好きな作家のひとりである。同じくアランポーから名前をとった江戸川乱歩も大好きな作家。
この俳句の成功は季語の、さみだるる、にある。
これは読み手に様々な想像を与える。よく指導していて伝えることだが、大切なのは相手に想像させる余白をつくらせる、という点である。
そういった意味でこの作品は秀れている。そこにあるのは自虐なのか、狂気なのか、 安堵なのか、
いずれにしても面白い。

俳句で最も重要なのは「季語」である。作品の善し悪しは季語によって決まるといっても過言ではない。
季語を無視すると、俳句は一見自在になる。
そしてもとより個性的になるように見えるが、それは蓋を開けてみると実に薄っぺらいものとなる。

その反面、季語、季題を酷使すると俳人だけの独善の世界に陥る。
僕はこれは今、大変大きなテーマではないか、と考えている。
名品は、俳人の評価だけで定まるものではない。
真の名句とは、俳人が感銘するとともに俳人以外の人々の心をうつものであると考える。
俳句が俳人だけにしか分からないという幻想を抱いている限り、時代を超えた秀作は生まれるはずもなく、未来もない。
俳句の器は大きい。
また人が持つエネルギーも大きい。
俳句の未来、夢を切に願うばかりである。
そのために俳句をする。

大森健司
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Author:kenjiomori
俳句結社「森」主宰、大森健司のブログ★受賞多数。
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