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2014年10月句会報

句会報の一部を紹介します。


母胎よりあまたの星の流れけり
大森健司

振り向かぬ海原高く鳥渡る
梶田紘子

告解やしづかに月の欠けてゆく
菅城昌三

マフラーや忘れてしまふ刻を巻く
西川輝美

東山からかさ二本しぐれゆく
渡辺新次郎

それぞれの時が熟れたり木の実落つ
西尾ゆう子

初冬の湖への道を只歩む
速水房男

語り部の琵琶のしらべに夏の月
前田壽登

死はいつも背中にありて新酒かな
高木憂

戒名を付けて一節秋暮れぬ
野村幸男

語り合う言葉ひとつに秋深む
野村美穂子

サーカスのはけて時雨を帰りけり
中原恵美

神留守や十七文字の現実と
古田左千夫

なつかしき奈良の香りや金木犀
余力端美

秋深し淀の河原に落つ夕日
荒木克彦

無口なる父の一語や実南天
松尾遊子


口開けて口の溟さの十夜鐘
大森理恵



梶田紘子氏とは30年ものお付き合いになる。

家族以上の仲、まさしく俳縁である。

先々月よりおさまっていた卵巣癌より子宮癌が再発し、現在抗ガン剤と闘っている。

久々にお会いし、御元気そうには振るわれていたものの、二ヶ月ぶりの句会では帽子をかぶられていた。

抗ガン剤による脱毛であろう。

二ヶ月ぶりの句会には夏の季語も混じっていたが、自己の投影が激しく映し出されていた。

振り向かぬ海原高く鳥渡る

振り向かないのは負への自分自身であろう。

映像が復元されているとともに、作者の強い意志が表れている。

他にも、

色替えし花火の盛り移り来る

銀漢やあまたの出会ひ瞬ける

虫すだく生くる夜があり耳があり

草紅葉移りし刻や点滴す



全て佳吟である。

中でも、

色替えし花火の盛り移り来る

に非常に感銘した。

なにか【生命】なるものをひしと感じたのである。

「悟りといふ事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思つて居たのは間違ひで、
悟りといふ事は如何なる場合にも平気で生きて居る事であつた」

正岡子規はこう述べている。

正しくその通りであると、思い、紘子氏にそれを感じるのである。


祈ることしかできない。

祈るばかりである。




今月より、オーストラリア在住の松尾遊子氏に参加して頂くことになった。

彼女の根性、度胸の良さは天下一品!

これまでは全くの新人であるが、俳句の上達は非常にはやい。


無口なる父の一語や実南天

これはオーストラリア行きの決意かもしれないし、そうでないかもしれない。

僕の西陣の旧家にも美しい実南天があった。

実南天には不思議な存在感がある。

実南天の深紅は彼女の意志と決意の強さである。

非常に心強い人格者でもある。

頼りにして、これからに大きく期待したい。



何度も繰り返すようだが、作品は技巧が一番ではない。

あくまで感動に殉ずるものである。

人それぞれの感動を一瞬、十七文字に込めれば良い。

飯田龍太もこう述べる。

技巧を感じさせない秀れた技巧の句は、すべての文字が生き生きと呼吸しているように見えるものだ。

しかも、一字一字が緊密に結び合って作品の強靭な命となる。


噛み締めて欲しい言葉である。

【秘すれば花】という。その花とは、いってみればおのれの胸中にある無垢なこころそのものの姿。

大森健司
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