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誕生日祝辞御礼!

kyoto u.haiku
大森健司 近影

思いのほかたくさんのお祝いの言葉を賜り、厚く御礼申し上げます。
素晴らしい春の訪れとともに、42歳を迎えることが出来ましたこと、深く感謝いたします。
おかげさまで「森」俳句会は賑わいを見せ、僕自身気力の満ちた日々を過ごすことが出来ているのも、ひとえに皆様からのあたたかい御力あってこそです。
現状に奢ることなく、京都という地に深く根付くためにも、文化継承に心血を注ぐ覚悟で邁進して参りますので、これからもご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします。

2018年3月吉日

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2018年2月句会報

句会報の一部を紹介します。

兼題 : 立春、冴返る、雪 全般

夜半すぎてをんなの耳の冴返る
大森健司
水餅や器といふは割れやすき
菅城昌三
春浅し胸中はまだ無色なり
西川輝美
百年の薄れし屋号冴へかえる
速水房男
冴返る子供の部屋はがらんどう
河本かおり
春雪や人事異動のうわさ聞く
武田誠
侘び寂びを酒とわかちて細雪
松浦美菜子
春の雪心変わりの無いままに
山本孝史
母と子に雪解けの声聞こえけり
池上加奈子
青鬼に呼びとめられて春立ちぬ
白川智子
鴨川に春立つ犬と出逢いけり
前川千枝
役不足などと言われて春たちぬ
臼田はるか
春立つや丸い袋に丸い菓子
中谷翔
春の雪一期一会を宙(そら)に舞い
上田苑江
牡丹雪華燭の宴の窓の外
栗山千教
我の他聴く人もなし雪の声

虹色の春風ふふむ絵筆かな
三谷しのぶ
夜汽車待つ異国の旅や春は来ぬ
村田晃嗣
字余りのやうな人かも春時雨
石田穂實
此の道を隠してくれぬ春の雪
柴田春雷

百年の薄れし屋号冴へかえる
速水房男
「森」中央支部特選。
兼題でもある「冴返る(さえかえる)」とは、冬の季語である「冴ゆ」から来たものであり、春めいてきたと思う頃にひとしお寒さ、つまり春に「冴ゆ」を感じた季語である。
老舗という言葉がある。
100年以上続いた店舗を指し、京都ではとりわけこの老舗へのこだわりが強い。
二代目が初代を超えることは困難を極めるが、温故知新、三代目へと継承してゆく文化、これは俳句にも通じるものがある。
先祖から受け継いだものを真摯な姿勢で後世に語り継ぐ、凛とした心意気や適度な緊張感が「百年の薄れし屋号」という措辞に良く現れている。
京都に長年住む作者の古風な一面は尊敬に値する。

春の雪一期一会を宙に舞い
上田苑江
「森」中央支部特選。
「一期一会」という言葉受け止め方は世代によって異なるだろうが、作者のセンチメンタルになり過ぎない叙情感が、宙に舞いという言葉で上手く昇華されている。
今回の兼題では「立春」も挙げたが、雪が多く、木々の芽吹きさえ感の狂った中、春をとらえるのが難しかったようである。
春の雪の季語が非常に良い。
一期一会の本質をそこに見る気がするのである。
過ぎ去った一年を振り返り、リセットし、新しい一年を迎えるために、春の雪を鑑賞するには手本となる作品ではないだろうか、と思える作品。
出会い期し人日までの餅を食べ 村田晃嗣

虹色の春風ふふむ絵筆かな
三谷しのぶ
「森」名古屋支部特選。
「虹色の」からして色彩感が抜群に素晴らしい作品。
厳しかった冬を堪えてこそ喜びがある春の訪れを五感で捉えた充実感がそこにある。
昨今の日本は地球温暖化の影響もあり、例えば春を楽しめる期間は非常に短く、あっと言う間に木々の葉は鬱蒼としてくる。
初夏の風とは違う、春特有の柔らかい風を、雪が去って伸び伸びとした木々の間から感じとっていただきたい。
「ふふむ」は含むとは多少異がことなる。
中に孕んで待つという意味は同じである。
万葉集でも用いられている用語。
春の訪れに喜びとともに奔らせている絵筆の映像の復元もしっかりと為されている。

夜汽車待つ異国の旅や春は来ぬ
村田晃嗣
作者らしい、スケールの大きな春の作品。
今回、「森」祇園支部秀逸句にあった、
鴨川に春立つ犬と出会いけり 前川千枝
これが、戌年を迎えるにあたり、希望に満ちた可愛らしい女性ならではの作品とするならば、こちらは男性特有の作品といえる。
男の人生とは旅のようなものであり、目の前に与えられた課題を真剣に取り組む一方、次のステージへの助走と飛躍が求められる。
「夜汽車を待つ」静かな時間は作者にとって有意義な時間に違いないだろうし、新しい世界がその先に見える、男性らしい希望に満ちた作品である。その映像や息づかいまでも見えてくるようで見事である。

字余りのやうな人かも春時雨
石田穂實
「森」名古屋支部特選。
「字余りのやうな人」とは一体どのような人なのであろうか。
謙遜のアイロニーと言える作品でもある。
「春時雨」の切れが好く効いており、詠み手がむしろ立ち位置を見失う非常に面白い作品。
これはさすが、元柳人ならではの発想とも言える。
五七五の十七文字に凝縮する難しさを素直に表現している。
春時雨の様に静かに心に降り注ぐような作品である。
また、同時作として、
春の夜ことばの帯を締めにけり
春の夜渋色の帯きつく締め
これらも特選に匹敵する秀吟。
この作者の成長には本当に驚かされた。
勿論、嬉しい驚きである。

此の道を隠してくれぬ春の雪
柴田春雷
「森」祇園支部特選。
「此の道を隠してくれぬ」という言い切りが、見事である。
春の雪はハラハラ舞い落ちることはあっても、滅多に積もることはない。
作者の「この道」は作者の人生と捉えた。
冬との決別が出来ないことへのもがきが垣間見え、春の雪が切なく映る寂寥感の感じられる作品。
ただ寂寥感だけではなく、そこには強い意志が見受けられる。
あとは詠み手に委ねることにする。

俳句は思いだけではいけない。
十七文字に詰め込みすぎると焦点がぼやけてくる。
それを如何に客観視して相手に知らせるか、否か。
詠み手に如何に想像させるか、写生をすることで気持ちを昇華させるのである。

「森」俳句会は近日、会員も増え、さらに充実した句会となっている。
近い将来「森」東京支部を開設する予定である。

俳句は言葉足らずでも、饒舌すぎてもいけない。
これは各企業のセミナーでも話していることであるが、99の流れる言葉より、「1の核心」を突いたひと言の方が、相手の心に残る。
話が上手ではない経営者の方々、不得手な経営者の方々もいらっしゃるが、ポイントはたったひとつでいい。
相手の心に突き刺さる言葉があればいいのである。
それは決して多く饒舌ではいけない。
あとはそのひとつの言葉を引き立てるある意味、陰や褻の言葉で良いのである。
多くを語る者は多くを失う。
それは詩歌のすべて。
又、俳句の世界でも同じである。


追記
現在は企業のセミナーやコンサルティングもいくつか行なっております。
言葉の力というものは不可欠であり、非常に重要です。
いかにして短い言葉でインパクトを残すことが出来るか、ということです。尚、川柳や短歌にはない「季語」を勉強することによって言葉の
引出しは確実に堅実に増えます。感受性も高めます。
また「森」句会とともに進めてまいります。

詳しくはまたホームページをご覧のうえ、お問い合わせください。
「森」MORI
http://morihaikunokai.jp
大森健司
プロフィール

kenjiomori

Author:kenjiomori
俳句結社「森」主宰、大森健司のブログ★受賞多数。
お気軽に覗いて下さい。
お問い合わせは「森」ホームページ にて。

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