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第4回 京都国際文化KICA講演 お知らせ

好評につき、京都国際文化協会主催 KICAセミナーを下記の日程で行ないます。

「俳句をたのしむ 4」

◾️2019年6月16日(日曜日)午後2時〜午後4時(午後1時半より開場)
◾️場所 京都市国際交流会館
市営地下鉄 蹴上駅より徒歩5分
◾️費用 一般 1000円 (会員 無料)
定員になり次第、受付終了となります。

俳句は「季語」で決まると言っても過言ではない、言い切りの文芸です。

その場で添削・指導の上、上達法も詳しく解説いたします。
お会い出来ることを楽しみにしております。

◾️お問い合わせ
京都市国際文化協会
TEL 075-751-8958
FAX 075-751-9006
もしくは、
「森俳句会」
morihaikunokai@gmail.com
担当 西川まで

よろしくお願い致します。


国際文化協会講演2019
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2019年3月句会報

句会報告一部を紹介します。

兼題 : 日永、草餅、春陰

かげろふや罪をのがれて水のうへ
大森健司
蓬餅濡れて過客となりにけり
菅城昌三
ビートルズ横断中なりかぎろへり
西川輝美
黒髪の過ぎゆく先の遊糸かな
速水房男
残雪に足とられをり湯守かな
上田苑江
草餅の踏みしも旅の終はりかな
武田誠
春陰や夕餉の支度ままならず
松浦美菜子
丸氷少しずつ溶け日永かな
山本孝史
酔ざめの春の夜風にあたりをり
池上加奈子
永き日のほのかな刻を願ひたし
白川智子
草餅や鈍行列車の走りをり
前川千枝
春泥の落ちぬヒールで走りけり
臼田はるか
鏡より己を愛す日永かな
中谷かける
脱ぐための衣購ひ(あがなひ)の春の雷
三谷しのぶ
春陰がうなじにのびる古都の女(ひと)
村田晃嗣
人づての噂となりぬ春の傘
柴田春雷

ビートルズ横断中なりかぎろへり
西川輝美
「森」中央支部秀逸。
「ビートルズ横断中なり」という措辞から、ビートルズの名作「アビーロード」のジャケットを誰もが想像する。
あの横断中のビートルズは様々なオマージュを含めて、メンバーそれぞれが白い歩道を横断している。
何故、ポールマッカートニーは裸足なのか?
また何故、わざわざ写真を反転させたのか?
これには幾つかの諸説がある。
それについてはここでは深くは触れる必要はない。
季語を「陽炎」(かげろう)にすることによって作品に物語性を含ませることが出来た成功例。
秀逸ながら、心に残る。
また熱い珈琲を飲みながら、久しぶりにアビーロードを聴きたくなった。

残雪に足とられをり湯守かな
上田苑江
「森」中央支部秀逸。
この作品は山形県のとある温泉地で詠まれたとのこと。
さりげない描写、さりげない言葉であるが、映像の復元もしっかりと出来、季語の「残雪」によって「湯守」の存在感がありありと炙り出されてくる作品。
一見逞しくしっかりとしていそうな湯守が「足とられをり」という一瞬の隙を詠んだ作者の視点が感銘に値する。

春泥の落ちぬヒールで走りけり
臼田はるか
「森」祇園支部特選。
春泥が靴についた例句は多いが、そこから一歩踏み出した作品。
先ず「ヒール」というのが面白い。
又、この作品をただ単に落ちないのを諦めて先を急ぐと解釈するのはナンセンスである。
春泥がついているヒールの間の抜けた感がかえって愛おしく思える。
ヒールよりも光を放っている自身が際立つようである。
長い冬の後動き出した、躍動感満ち溢れた作品。
現代の女性らしくもある。
等身大の表現が良い。
青春性も感じられる。

鏡より己を愛す日永かな
中谷かける
「森」祇園支部秀逸。
作者が得意とする二重構造的な作品。
以前、取り上げた作者の作品に以下がある。
ポケットに卒業出来ない俺がいる
鏡に映る真実の自分への嫌悪感、または世間の目から見た自身への否定、もしくは自身を慰め、少しだけ甘やかしているのかもしれない。
春の日永。
そこはかとなく長く感じる時間にもて余す自身への皮肉が面白い作品である。

脱ぐための衣購ひの春の雷
「森」中央支部特選。
三谷しのぶ
一見女性的に見えて、男性的でダイナミックな作品。
女性の服を脱がすのは、この場合男性とするなら、それを俯瞰しているのが実に大胆である。
又、決して品位を欠いていない。
脱ぐための衣購ひに春の街
これが原句である。
原句のままでも中央支部では充分な高得点句であった。
私が、
脱ぐための衣購ひの春の雷
に推敲したのだが、よりドラマチックでエロチシズム漂う作品に仕上がったと思われる。
霞んでいる春という季節に、弱い句が目立った中、ひときわ鮮烈な印象を受ける作品である。
作者の代表作のひと作品にはとなるであろう、一句である。
同時作の以下も佳吟。
朧月足より人魚となる少女
弾きゆけば大樹の声す春の琴


春陰のうなじにのびる古都の女
村田晃嗣
「森」中央支部特選。
まず、「春陰がうなじにのびる」。
このような措辞の例句を私は見たことがない。
そして、次にまるで溝口健二監督作品に見られるような情景描写。
見事な技量としか言いようがない。
「うなじにのびる」という表現が非常に艶めかしく、またぬめりさえ感じられる。
「古都の女」は、川端康成『古都』然り、一筋縄ではいかない京女なのかもしれない。
哀しい女が東映映画なら、凛とした女が大映映画であり、後者に近い世界観。
こちらの作品も同時作で、高得点句で見事な「春陰」の作品。
一椀(ひとわん)に春陰宿る庵(いおり)かな

人づての噂となりぬ春の傘
柴田春雷
「森」祇園支部秀逸。
京都は逢瀬という言葉がよく似合う街である。
そして、街の狭さから、誰かに見られていることが多い。
「人づての噂」という措辞が、知られたくないような、でも知られたいような、女性特有の感情だと言える。
喧騒や人の目を避けて、一つの傘の中歩く姿が京の街に静かに溶け込み、余韻をもたせる作品。
春は心が穏やかでない、という心情がうまく映像化されている。
作者ならではの古風な感覚を貫き通しているのも良い。

十七文字に詰め込みすぎると焦点がぼやけてくる。
それを如何に客観視して相手に知らせるか、否か。
詠み手に如何に想像させるか、写生をすることで気持ちを昇華させるのである

「森」俳句会は近日、会員も増え、さらに充実した句会となっている。
近い将来「森」東京支部を開設する予定である。

俳句は言葉足らずでも、饒舌すぎてもいけない。
これは各企業のセミナーでも話していることであるが、99の流れる言葉より、「1の核心」を突いたひと言の方が、相手の心に残る。
話が上手ではない経営者の方々、不得手な経営者の方々もいらっしゃるが、ポイントはたったひとつでいい。
相手の心に突き刺さる言葉があればいいのである。
それは決して多く饒舌ではいけない。
あとはそのひとつの言葉を引き立てるある意味、陰や褻の言葉で良いのである。
多くを語る者は多くを失う。
それは詩歌のすべて。
又、俳句の世界でも同じである。


追記
現在は企業のセミナーやコンサルティングもいくつか行なっております。
言葉の力というものは不可欠であり、非常に重要です。
いかにして短い言葉でインパクトを残すことが出来るか、ということです。尚、川柳や短歌にはない「季語」を勉強することによって言葉の
引出しは確実に堅実に増えます。感受性も高めます。
また「森」句会とともに進めてまいります

詳しくはまたホームページをご覧のうえ、お問い合わせください。
「森俳句会」ホームページ
http://morihaikunokai.jp
尚、ご質問等につきましては、
「森俳句会」
morihaikunokai@gmail.com
までお気軽にご連絡ください。
大森健司
プロフィール

kenjiomori

Author:kenjiomori
俳句結社「森」主宰、大森健司のブログ★受賞多数。
お気軽に覗いて下さい。
お問い合わせは「森」ホームページ にて。

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